ジンプロ・ミネラルは豚での暑熱ストレスの影響軽減に役立つ。
マーク・ウィルソン博士
ジンプロコーポレーション
豚への暑熱ストレスは、毎年数億ドルの損失をもたらしますが、ジンプロ・ミネラルはその不安を取り除くことができるでしょう。
アイオワ州立大学のランス・バウムガード獣医師は、暑熱ストレスによって、アメリカでは、豚生産時と仕上げ時で一年間に9億ドルの損失が出ると試算しています。その上、ランス・バウムガード獣医師は、暑熱ストレスを「効率的な動物生産を行う際の、全世界共通の最大の脅威」と呼んでいます。
暑熱ストレスは気温と湿度を組み合わせた不快指数を用いて測定されます。動物の大きさや、生理状態、空気の流れ、床の素材にもよりますが、豚では適温帯は18℃〜24℃とされています。
人間含め全ての哺乳動物は、暑熱ストレスを受けます。しかし、豚は汗をかいて体温を下げることができません。また、皮下脂肪が厚く、除脂肪筋肉量の割合も高いため、豚は特に暑熱ストレスの影響を受け易くなっています。
炎症を誘発するリーキーガット
豚は熱を逃がすために、血流を消化管から四肢に増やすことで、暑熱に対応します。更に、豚は呼吸数を増やし、呼吸過程によって熱放散を行います。消化管の血管は収縮し、それにより消化管粘膜上皮細胞への酸素流量を低下させます。また消化管粘膜上皮のタイトジャンクション構造をしっかり維持し、血流への毒素移行を防ぎます。腸粘膜上皮のタイトジャンクション構造が、活性酸素や血流低下によるエネルギー不足のために損傷を受けると、有害物質が腸管腔から細胞間隙を通じて血流へ移行してしまいます。この現象を「リーキーガット」と呼びます。
毒素が血流に移行すると炎症反応が起こり、豚の生殖器系に対して負の影響を与える食欲減退や体温上昇を引き起こします。さらに、暑熱ストレスを受けると、インスリンの放出が増大し、また脂肪酸の分解が進みます。これらを通して、全身の細胞へエネルギー源を供給しています。泌乳期の豚は、大量のエネルギーや栄養を必要とするので、摂食量の減少は特に泌乳期の豚においては好ましくありません。
ジンプロ・ミネラルは暑熱ストレス管理に役に立つ
微量ミネラルの添加は、豚が暑熱ストレスの影響や生産性低下を改善するために効果的であることが分かっています。アベイラ亜鉛のようなジンプロ・ミネラルは腸管腔のタイトジャンクションを強固にし、腸粘膜上皮の健全性を向上します。アベイラ亜鉛は腸管の健全性を向上させるだけでなく、血流への有毒素の移行量を減少させます。
また、亜鉛源によって、炎症シグナルに違いがあります。アベイラ亜鉛は硫酸亜鉛に比べて、リポ多糖結合タンパク質(急性期タンパク質)を増加させることが分かっています。炎症反応を制御できると、食欲は正常を維持できます。母豚は、血液や栄養素を炎症に対する免疫反応のために使うのではなく、妊娠や泌乳に利用することができます。
ランス・バウムガード獣医師によってアイオワ州立大学で実施された試験によって、暑熱ストレスを与えた豚に、アベイラ亜鉛を給与することで硫酸亜鉛を与えた豚と比較して、生産性が優れていることが実証されました。
- 未経産豚にジンプロ・ミネラルを給与すると、暑熱ストレス下で体温が低下した。
- 豚にジンプロ・ミネラルを給与すると、暑熱ストレス下で回腸の健全性を維持することができた(リーキーガットを防ぐ)。
- 豚にジンプロ・ミネラルを給与すると、暑熱ストレス下で血液中筋肉分解マーカー(筋肉への脂肪沈着)が減少した。
その他に、亜鉛とマンガン、銅の組み合わせが、他の微量ミネラルの組み合わせと比べて健康な豚の生産成績を向上させることも実証されました。
- 母豚にジンプロ・ミネラルを給与すると、淘汰率が15.4%減少した。
- 母豚にジンプロ・ミネラルを給与することで、より効率良く飼料からの栄養素を活用することができた(飼料効率の改善)。
- 母豚にジンプロ・ミネラルを給与すると、乳たんぱく質が11.4%増加し、体細胞数が43.9%減少した。
- ジンプロ・ミネラルを給与した母豚から生まれた子豚の離乳体重が2.3%重かった。
これらの試験は次のことを明らかにしました:ジンプロ・ミネラルは、毎年数億ドルの損失をもたらす暑熱ストレス管理において効果的な栄養資材である。微量ミネラルもまた、母豚の健康全般を向上させ、繁殖成績を向上させる。
豚における暑熱ストレスやその影響に関してご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。
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