ジンプロ・ミネラルが免疫反応を向上させる。
ウェス・シュベール博士
ジンプロコーポレーション
豚赤痢やサルモネラ症、豚増殖性腸炎のような細菌感染症は、ほとんどの豚群から検出されています。実際、養豚現場では、そのような細菌は、糞便サンプルを回収し、施設で分析することで豚舎のあらゆる場所で検出することができます。これらの細菌は、複数箇所から導入された豚から群内に持ち込まれることが多いです。
ストレスが加わることで、すでに存在している細菌が休眠状態から感染力のある状態に変化し、豚生産に悪影響を及ぼす可能性があります。ストレスには、離乳ストレスや6~12時間飼料摂取できない断食ストレス、導入時ストレスなどがあります。
亜鉛のようなジンプロ・ミネラルを豚の飼料栄養プログラムに組み込むことで、細菌感染の重症度を軽減することができます。亜鉛は、豚が迅速かつ強固な免疫反応を獲得するために役立ちます。それにより、成績と生存率が向上し、最終的に収益に好影響をもたらします。
細菌感染症の症状と経営への影響
豚赤痢やサルモネラ症、豚増殖性腸炎のどれも、全て腸内細菌感染症なので症状は似ています。主な症状は下痢です。それにより、採食量の減少もしくは、食べなくなることとなり、成長が鈍化します。
感染を抑えようと抗生物質を用いて治療しますが、治療費が増えてしまいます。また、重度の感染症は斃死率の上昇も引き起こします。
不顕性感染の場合、感染していても臨床症状を示さずに、成長が鈍化していくでしょう。不顕性豚増殖性腸炎になると健康な豚と比較して、日増体量が59%減少し、出荷時体重が4.3kg減少して、その結果一頭あたり$3~$11の損失が生じることが試験により分かっています。
ジンプロ・ミネラルは細菌感染の重症度を軽減する。
ジンプロ・ミネラルは、細菌感染を予防することはありませんが、重症度を軽減することができます。アベイラ亜鉛由来の亜鉛は、豚が迅速かつ強固な免疫反応を獲得するために役立つでしょう。給与後、豚がまだ下痢することがあるかもしれませんが、そこまで重症ではなく、劇的に斃死率を上昇させるものではありません。
ジンプロ・ミネラルは、細菌感染時の採食量の維持に役立ち、より多くの栄養素を免疫機能と成長に利用することができるでしょう。採食量に効果を示すことで、平均日増体量の維持に役立ち、その結果より早く出荷時体重まで成長することができるでしょう。
ジンプロ社が行った少数の豚での豚赤痢感染試験で、ジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニンを給与すると、酸化亜鉛給与と比較して、平均日採食量が0.47kg改善し、結果として生存率が上昇しました。
別の試験から、ジンプロ・ミネラルを給与すると、酸化亜鉛給与と比較して、サルモネラ感染した豚で、斃死率が低下し、罹患期間が短くなったことが分かりました。斃死率は37.5%低下し、罹患期間は25%低下しました。細菌感染から回復が早くなったおかげで、総増体量が100%増加し、総豚出荷量も50%増加して、結果的に一頭あたり$20.19の収益を得ることができました。
ジンプロ・ミネラルは抗体反応とT細胞反応を向上させる
アベイラ亜鉛由来のジンプロ・ミネラルを給与することで、迅速かつ強固な免疫反応を獲得できるので、ローソニア・イントラセルラリス肉眼病変数と肉眼病変の重症度を減少できます。
ジンプロ社が行った、ローソニア・イントラセルラリスに不顕性感染させた豚にアベイラ亜鉛または硫酸亜鉛を給与した試験で、感染後28日でアベイラ亜鉛を給与した豚の100%が抗体陽性を示したのに対して、硫酸亜鉛を給与した場合は、83%しか抗体陽性を示さなかったことが分かっています。このことからアベイラ亜鉛を給与すると、硫酸亜鉛を給与した時と比較して、血中抗体発現がより速いことが分かります。
また、アベイラ亜鉛を給与すると、より迅速なT細胞反応も獲得することができます。アベイラ亜鉛を給与すると、硫酸亜鉛給与と比較して、感染21日後の感染陰窩あたりのT細胞数が85%増加しました。
迅速かつ強固な免疫反応を獲得した結果、硫酸亜鉛を給与した場合に感染28日後の肉眼病変保有豚割合が100%であるのに比べて、アベイラ亜鉛給与の場合にはわずか33%でした。さらに、アベイラ亜鉛を給与した場合に、硫酸亜鉛給与時と比較して、肉眼病変スコアが感染21日後で50%低下し、28日後では77%も低下しました。
ジンプロ・ミネラルは、ワクチン反応を高める
アベイラ亜鉛は、ワクチン反応も高めます。ローソニア・イントラセルラリスに臨床性感染した場合、ワクチンとアベイラ亜鉛を併用することで、硫酸亜鉛とワクチン併用した場合と比較して、感染21日後の平均日増体量が13%増加しました。さらに、斃死率はワクチンとアベイラ亜鉛を併用すると、80%も低下しました。
ジンプロ・ミネラルは生産性を向上させる
豚赤痢やサルモネラ症、ローソニア・イントラセルラリス感染症は、豚舎内で発症しますが、発症にはストレスが引き金となります。アベイラ亜鉛由来の亜鉛では、感染を防ぐことはできませんが、アベイラ亜鉛を給与することで、豚が迅速化かつ強固な免疫反応を獲得することを助け、それにより細菌感染症の重症度を軽減できます。これらの結果は、生産指標と収益の向上をもたらしてくれるでしょう。
豚の飼料栄養プログラムにおけるアベイラ亜鉛に関してのご質問やご相談は、弊社営業担当者にお問い合わせ下さい。
関連記事:
ジンプロ・ミネラルは豚での暑熱ストレスの影響軽減に役立つ。