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ジンプロ・ミネラルが牛伝染性鼻気管炎ウィルス(IBRV)のコントロールに役立つ

ジンプロ・ミネラルが牛伝染性鼻気管炎ウィルス(IBRV)のコントロールに役立つ

クリス・アシュワース博士、獣医師

ジンプロコーポレーション

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* この記事はアメリカにおける事例です

ウィルスや感染による炎症刺激が起きた時に発熱することは、体の自然な反応です。免疫機能が細菌や病原体による感染を認識することが、体を治すために体温を変化させる引き金になります。

この発熱や炎症反応は諸刃の剣です。牛にとって、発熱は体を守る働きである反面、生産性や増体、飼料効率、繁殖活動、産乳を妨げる要因になります。それはなぜでしょうか?発熱には栄養を必要とする一方で、食欲を低下させる作用もあるからです。

繁殖母牛の中に必要とする栄養素を入れるバケツがあると想像してみてください。維持、成長、繁殖、そして泌乳の4つのバケツがあります。発熱といった形で炎症が起きると、免疫機能が反応して感染やウィルスと戦うために優先的に多くの栄養素を必要とします。従って、成長、繁殖、泌乳のために分配する栄養素は少なくなってしまいます。

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発熱が早期かつ短時間しか続かずに、栄養素の活用が最小限で済むことが理想的な状態です。しかし、炎症反応がゆるやかに起きて長期に亘ると、免疫機能が感染やウィルスと戦うためにより多くの栄養素が必要になってしまいます。その結果、繁殖母牛が成長、繁殖、泌乳に用いて遺伝的能力を発揮するだけの十分な栄養素がなくなってしまいます。肥育牛においては、感染や疾患に対する炎症反応によって飼料摂取量が減少することで平均日増体量が低下し、成長と筋肉の発達が妨げられます。

 

牛の反応を亜鉛が高める

亜鉛といった微量ミネラルは、牛が炎症刺激に対して反応する能力を高めるための重要な栄養素です。免疫反応における必要性は、エネルギーやアミノ酸といった他のほとんどの栄養素に比べて、微量ミネラルの方が高いとされています。これは微量ミネラルが多くの酵素と、免疫機能が生成する防御タンパク質の補助因子であるためです。

もし農場で免疫を第一に考える場合、牛にしっかりと強固な免疫反応を起こさせるために必要な栄養素を給与しているかご確認ください。そうすれば、生産性への影響を最小限に抑えることができます。牛の体が長期に亘って感染や病原体と戦うのに時間もエネルギーも使う必要がなくなれば、給与した栄養素は本来用いられるべき生産活動に用いられて、最終的な増体や産乳の改善に繋がります。

 

研究:亜鉛と牛伝染性鼻気管炎ウィルス(IBRV)の感染

肥育農場において様々な供給源で亜鉛を給与した際の牛伝染性鼻気管炎ウィルス(IBRV)感染への素牛の反応について、ジンプロ社は試験を行いました。

この試験では、40頭の去勢雄を供試しました。去勢雄牛の母牛を体重別で2つの区に分け(1区当り2反復)、2種類のミネラル添加を施しました。1つの区には飼料に無機の酸化亜鉛50ppm、酸化マンガン40ppmを添加しました。もう1つの区の飼料には、ジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニン製剤(ZINPRO)を50ppm、マンガンメチオニン製剤(MANPRO)を40ppm添加しました。肥育農場では、素牛にIBRVワクチンの接種は行わず、素牛にも母牛が妊娠期に摂取していた微量ミネラル供給源を給与しました。

それぞれの区の素牛に自然な状態と同じように経鼻でIBRVを強制的に投入し、供試された全ての牛をウィルスに曝露させました。IBRV強制曝露後、毎日直腸温度を測定しました。

この試験では、ジンプロ・ミネラルを給与していた素牛は、IBRVの強制曝露に対してより効率的な免疫反応を示しました。発熱反応を見ると、元の体温までより早く回復しました。

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さらに、ジンプロ・ミネラルを給与していた素牛は炎症過程にあるにも関わらず、乾物摂取量の変化が小さく、体重は無機ミネラルを給与していた素牛よりも重く推移しました。

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ジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニン及びマンガンメチオニンを給与することによって、発熱反応の行程が迅速に始まり、発熱が早期に収まったことから、全身感染におけるエネルギー消費を抑える効率的な免疫反応が示されました。

 

ジンプロ・ミネラルによるIBRVコントロール

ジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニン及びマンガンメチオニンを飼料に添加することで、疾病などの問題からの早期回復を期待することができます。早期回復が促されることで、牛は通常の生産形態に戻り、より多くの栄養素を早く増体や繁殖や泌乳といった生産活動に費やせるようになります。さらに、ジンプロ・ミネラルを給与することにより、問題が発生している間も、牛は飼料摂取量を維持し、増体することができることも、研究から判明しています。

ジンプロ・ミネラルの給与は牛の全身の健康状態の維持に寄与し、生産性を高める一助となります。さらに、費用対効果も高いことが分かっています。

肉用牛における、発熱と炎症に対するジンプロ・ミネラルの働きの詳細については、弊社営業担当にお問い合わせください。

 
 
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