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鶏の質と量を高めるために種鶏にジンプロ・ミネラルを給与しましょう!

鶏の質と量を高めるために種鶏にジンプロ・ミネラルを給与しましょう!

レオナルド・リナレス博士

ジンプロコーポレーション

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新型コロナウイルス感染症の被害拡大による前例のない混乱によって、養鶏業界を含む食品業界のあらゆる分野が被害を被っています。加工処理場での混乱が、食料需要の増加と相まって生産者を圧迫しています。

ブロイラー種鶏の高い生産性を維持することが、種鶏農場が収益を上げるためには必要です。主な目的はグレードAの雛数を増やすことであり、生産者が飼養羽数を通常時に戻そうと取り組んでいる今こそ重要になってきます。

飼養過程の全ての面で管理がうまくいっていなければ、高い生産性を得ることができません。群の健康や管理、孵卵管理、飼料栄養設計が高い育種価基準を満たしてなければなりません。

栄養分野の中でも見落とされがちな分野が微量ミネラル栄養素です。また、それらを有機ミネラルとして給与することで、体内の微量ミネラル量を向上させ、外部環境へのミネラル量排出を削減し、生産性を向上させることも同様に見落とされがちです。

微量ミネラルの形状間の差異は十分に裏付けられており、それは各微量ミネラル形状での生体内利用率の程度で示されています。有機微量ミネラル源の中でも、ジンプロ・ミネラルの様なミネラルアミノ酸錯体は、異なる吸収経路を介するため、生体内利用率が最も高いと考えられています。また、無機微量ミネラル源の中では、酸化物が最も生体内利用率が低いとされ、次いで硫酸塩や塩酸塩の生体内利用率が低いと考えられています。

ブロイラー種鶏の生産性

ブロイラー種鶏にジンプロ・ミネラルを給与することで、以下の影響が見られることが試験により明らかになりました。

  • 免疫能力の向上
  • 生存率の上昇
  • 卵殻品質の向上
  • 産卵率の上昇
  • 受精率、孵化率の上昇
  • 胚死滅数の減少
  • 出荷可能な雛数と雛質の上昇

免疫能力

種鶏におけるミネラルの充足状況が健康と生産性を向上させる。その大きな理由の1つが免疫能力の向上です。ミネラルは強固な免疫防御システムを構築する重要な役割を担っています。自然免疫反応、獲得免疫反応共にジンプロ・ミネラルを給与することで、好影響を受けるでしょう。

上皮組織

上皮組織は第一防御層です。皮膚や消化管内膜は、外部有機物や病原体にさらされる主な表面です。また、頻繁に生産性や健康に影響を与える感染症から防御するためにも、呼吸器や生殖器の上皮組織が同様に重要です。亜鉛とマンガン、銅は上皮組織の発達と修復、維持に重要な役割を担っています。これらの微量ミネラルを十分量給与することで、強固な防御システムを確立することが出来るでしょう。

食細胞

上皮組織下においては、偽好酸球が第一細胞性防御層です。偽好酸球は異物を貪食し、無力化し、炎症反応を開始させます。その後マクロファージが動員され、貪食し、炎症及び修復過程を調整します。マクロファージは免疫防御システムの中で最も優勢な因子であり、抗原を処理し、免疫システム(B細胞、ヘルパーT細胞)に対して抗原提示の役割を担っています。亜鉛は、食細胞の成長と機能に直接関与しています。若齢の七面鳥にジンプロ・ミネラルを給与することで、マクロファージの活性と貪食作用が向上しました。ジンプロ・ミネラルを給与したブロイラー鶏のマクロファージを回収して実施したin vitro試験からStaphylococcus agnetisに対して、より高い殺菌作用を示すことが分かりました。

液性免疫

B細胞は抗体産生の役割を担っています。試験から、ジンプロ・ミネラルを給与した鶏において、異種タンパク質(ウシ血清アルブミン)やサルモネラに対する抗体価が上昇したことが分かりました。また、ジンプロ・ミネラルを給与した種鶏において、鶏伝染性気管支炎や伝染性ファブリキウス嚢病、マレック病のワクチン価も高い値を示したことが分かりました。

細胞性免疫

T細胞の指示により、細胞性免疫は働きます。細胞性免疫を確かめるために、Cutaneous Basophil Hypersensitivity (CBH) 試験が一般的に用いられています。この試験は、皮下にフィトヘマグルチニン-Pを注入した際の、足趾の間の腫張の大きさ、もしくは肉垂の腫張反応を測定します。ジンプロ・ミネラルをブロイラー種鶏に追加給与することで、子孫においても同様にフィトヘマグルチニン-Pへの反応が増加しました。

移行免疫

親鶏の免疫は、雛へと移行します。一般的なワクチンプログラムは、親鳥防御のための高水準の免疫を獲得させ、そして移行免疫を雛へ移行させ、雛の生存率を向上させることが目的です。ジンプロ・ミネラルをブロイラー種鶏に給与することで、卵黄内ミネラル含有量や胎児の骨の厚み、ミネラル含有量が向上出来ます。

ミネラルの充足状況が向上し、免疫システムが高まることで、鶏はより健康で、より適切に疾病に対して対応することが出来ます。ブロイラー種鶏のような生産寿命が長い鶏にジンプロ・ミネラルを飼料中に添加することで、斃死率を低下させることが試験から分かっています。

卵殻品質

亜鉛とマンガン、銅は卵殻形成の役割を担っています。亜鉛は、卵殻膜形成に必要なケラチン酵素の構成要素です。また、炭酸カルシウムの卵殻形成に必要な炭酸脱水素酵素の活性にも関与しています。マンガンは、コラーゲン代謝及び強固な卵殻基質の形成に関与しています。銅は、銅含有酵素であるリシルオキシダーゼを介して、卵殻膜形成に関与しています。

ブロイラー種鶏及びレイヤー鶏の飼料中にジンプロ・ミネラルを給与することで、ブロイラー種鶏において孵化率の上昇に比例して破卵数が減少し、またレイヤー鶏においては出荷可能卵数が増加することが試験から分かりました。破卵数が減少した要因を調べた結果、卵殻の割合、重量、厚さ、強度がジンプロ・ミネラルを給与したレイヤー鶏で向上し、卵の利用率が増加することが分かりました。

受精

飼料中にジンプロ・ミネラルを添加することは、ブロイラー種鶏の雄にも好影響があります。亜鉛は、精液と精子生産の重要な要素です。雄の生殖系でセルトリ細胞とライディッヒ細胞はフェリチンの重要な供給源であり、フェリチンは形成中の精子への鉄の供給源として働きます。

ジンプロ・ミネラル、特に亜鉛と鉄のアミノ酸錯体が、射精量と精子運動性の上昇、異常精子数の減少、受精率の向上に効果を示すことが近年の試験により分かりました。

セレンは、精細胞形成の重要な役割を担っています。また、精液内での脂質過酸化及び精液や環境条件の変化といったストレス要因存在下でも、精子の質を確保することで、精子貯蔵管や卵管内での生存率を高める働きがあります。

孵化率

ジンプロ・ミネラルを種鶏に給与することで、無機微量ミネラルや他の有機微量ミネラル源と比較して、孵化率が1%から7%に向上したことが複数の試験から分かりました。この影響は受精率を向上させ、孵卵期間での胚死滅率を有意に減少させたことによってもたらされました。胚死滅に関しては、ジンプロ区では対照区と比較して、特に早期と後期の胚死滅率で15〜20%の低下が確認出来ました。

雛質

均一性や健康、生存率、大きさ、十分な移行免疫は生産者がブロイラーの雛に求める項目です。孵化時にどの程度発達をしているかが、生存率や生育能、飼料や水を摂取するための競争力において重要です。そのため、卵内のミネラル状態を改善することで、完全な胚発達と胚死滅率の低下に繋がり、雛の初期成長に大きく貢献することが出来ます。

ブロイラー種鶏にジンプロ・ミネラルを給与することで、卵内のミネラル状態を向上させ、胎児の骨格の石灰化がより進みます。その結果として、より強固な自然免疫を獲得でき、体重と体長がより大きくなり、生存率及び腸管の発達と健全性が向上出来ます。そして、最終的にブロイラー鶏の出荷時体重の向上に繫がります。

雛生産

ブロイラー種鶏における飼養過程の全てが適切に行われた時に、ブロイラー種鶏の生産性を向上させること出来ます。そして、生産性が向上することは、より多くの収益を得ることに繫がります。ジンプロ・ミネラルを給与することで、免疫能力を高め、斃死率を低下させ、受精率及び孵化率を上昇させることが出来るでしょう。これらの効果は、質の高い初生雛生産をもたらしてくれるでしょう。ブロイラー種鶏における数多くの試験から、ジンプロ・ミネラル給与の初生雛生産と雛質への好影響が証明されています。更に、無機微量ミネラルのみ給与時、または他の有機微量ミネラル源給与時と比較したROIは4:1から最大で11:1になることも明らかになっています。

生産者はこれまで以上に飼養過程の全ての面で、生産性を求めるようになるでしょう。ジンプロ・ミネラルが繁殖能力及び雛質を向上させ、グレードAの雛数を増加させ、高い生産性のブロイラー種鶏生産を維持することが、数多くの査読済み論文から証明されています。

ブロイラー種鶏における、ジンプロ・ミネラルの影響に関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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