飼料効率の重要性、窒素効率に関する最新情報
原料価格が高騰する中、飼料設計や添加物の選定が全ての生産者の収益性においてますます重要となってきています。その様な状況下で、私たちはコストを削減しながらも成績を維持出来る資材はないかと模索しています。鶏への飼料給与をより綿密に行うことで、その不安は軽減されるでしょう。アミノ酸は養鶏飼料において重要な構成成分であるため、制限アミノ酸に注意しながら飼料設計を行うことで、原料使用量のバランスを保った上でのコスト削減に繋がります。
原料高騰下において栄養素のバランスを検討する
畜産業界では世界的な混乱や輸送の遅延が発生すると、主要な原料価格が上昇します。
現在、小麦の汎用性が低いため、トウモロコシや大豆の価格は未だ高止まりしています。そして、原料供給及び汎用性の変動が大きいため、原料の品質が安定していません。それは、鶏の生産性に悪影響を及ぼしてしまいます。また、異なる原料には互いに相互作用があり、併用することで抗栄養因子となりうることもあります。これらを考慮に入れると、原料価格の高騰に対応するためには、飼料中の原料と栄養素のバランスを保つという新たな課題にも取り組まなければなりません。そして、原料において着目すべき重要な構成要素が大豆粕、バリン、アルギニン、イソロイシンであり、栄養素においては、粗タンパク質、分岐鎖アミノ酸です。従って、これらの要素がどの様にお互い作用し合うかを理解しておくことで、より優れた飼料要求率を得ることが出来るでしょう。
鶏の状態と原料を評価することがコストを削減しながら生産性を向上させるために重要である
栄養素と原料の推奨値を念頭に置きながら、鶏の状態と原料を定期的に評価することを優先的に行うことで、生産性を向上させることが出来ます。評価することで、重要な所見を見逃さず、生産性の推移を追跡することに役立ちます。そのため、最良の結果を出すことの出来る飼料を常に調整することが出来ます。それによって、鶏が成長していく上で原料の変化に対してどの様に反応を示すのかを知ることが出来る様になります。例えば、アミノ酸の濃度が低下した際にどれ位影響が出るのかを確かめることも出来ます。この様な知識と経験を持つことで、限られた費用の中でも最適な栄養素比率を設定できる様になるでしょう。
タンパク質供給量とバランスに気を配ることでも同様に費用を削減し、健康上の問題を回避出来るでしょう。飼料中のタンパク質量が減少することで、鶏の消化管の健全性が悪化し、その結果生産性が低下します。これを避けるためにも、各原料の配合割合を調べ、制限アミノ酸のバランスを保つことで、飼料中の粗タンパク質濃度を適正量に保つことが出来るでしょう。各制限アミノ酸の必要量を理解しておくことで、全ての栄養素の必要量を保ち、鶏が飼料から最大限の力を引き出すことが出来るでしょう。
知識と経験が費用を削減し、鶏の健康と生産性を向上させる
飼料設計士や生産者において、原料を正しく理解することには多くのメリットがあります。飼料中に配合されている全ての原料がどの様に働くかを理解することで、生産目標を超える成績をもたらしてくれる飼料を設計することが出来るでしょう。飼料設計を最適化することで、少ない飼料給与でも、以下の様な多くの利益を得ることが出来るでしょう。
- コスト削減
- アンモニア排出量の減少によるフットパットの状態及び健康の改善
- 飲水量の減少による資源の節約と持続可能性の向上
鶏の能力を最大限に引き出すために、栄養素を理解しバランスよく設計することは、原料価格高騰に直ちに対応し、より高い生産性をもたらすことに貢献するでしょう。
適切なパートナーは、栄養素がどれほど養鶏と経営の成功に重要であるかを理解しています。また、彼らは原料組成とそれが鶏に与える影響に関して試験を行い、理解するために私たちと協働しています。新しい技術を導入し運用していくことで、原料価格の負担を軽減し、経営及び養鶏の成績を向上させ続けられるでしょう。
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*本記事は、2022年11月に開催されたWatt社主催養鶏オンラインセミナー(ジンプロ社協賛)の講演まとめ記事です。