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初産牛の繁殖性を改善する

チャヌンダ・エンジェル

ジンプロコーポレーション

繁殖農場では、どのようにして後継牛を選抜しているでしょうか？アメリカでは、牛群の中で最も月齢が上で、体重が重い育成牛を選ぶ農場が多いです。しかし、月齢と牛体サイズが全てではありません。十分なサイズがあり、初回発情が早期にきている育成牛を選抜することが理想です。初回発情が早期にきているということは、季節繁殖管理においては授精期間の最初からすぐに授精可能であるということです。

分娩期の最初の21日間に分娩した初産牛は、その後の産次でも早期に分娩をし、農場に長く残ることが研究で示されています。即ち、生涯においてより利益を生んでくれるということです。

それぞれの後継候補牛が性成熟を迎えたかどうかを常にチェックするのは、多くの農場で現実的でも費用対効果のある方法でもありません。しかし、生まれる前からでも、本牛の遺伝能力を最大限発揮することをサポートできる方法があるとしたらどうでしょうか？お気づきでないかもしれませんが、後継候補牛が遺伝能力を発揮できるかどうかは、その牛がまだ胎児である時の母牛の栄養から始まるのです。分娩前の5ヶ月間に母牛にジンプロ・ミネラルを給与することで、生まれるメス子牛の性成熟を早めることを助けます

初回発情が早まることで、どのようにして雌牛の繁殖能力が高まり、分娩間隔が短縮され、生涯利益が増えるのかを見てみましょう。

利益を増やすための長命性の改善

繁殖農場においては、長命連産性が収益に影響を及ぼす重要な要因です。授精期間の早いうちに受胎した後継牛は、分娩期間の早期に分娩をし、最終的には在群期間も長くなります。さらに、季節繁殖管理においては、分娩期間の早期に出生した子牛は一斉離乳時に日齢が大きく、体重も重いために、素牛販売時の利益も大きくなります。

これは2013年の研究で実証されています。この長命性に関する試験結果は、アメリカ・サウスダコタ州にある農場の2,195頭の後継候補牛（SDSU）と、アメリカ食用動物研究センター（USMARC）の16,549頭の後継候補牛から得られたものです。分娩期間の最初の21日間に分娩した初産牛の内で非常に大きな割合の牛が、それ以降の周期で分娩した初産牛に比べて在群期間が長いという結果でした^※1。

アベイラ4の給与によって性成熟を早めると、繁殖の成功の可能性が高まる

分娩が早い初産牛は長命性も高いことをご理解頂きました。では、どのようにしてそれを達成するのでしょうか？

授精開始時にはすでに数回の発情サイクルが来るほどに性成熟を早めて、十分な時間を確保できるような管理が後継牛には必要です。授精期前に発情サイクルが多く来ているほど、初回授精時の受胎の可能性が高まります。2019年に行われた試験で、授精期前に最低1回の発情が来た後継牛は、発情が来なかった牛に比べて1回目の授精での妊娠率が高いことが分かりました^※2。この改善に向けた管理は、その後継牛が生まれる前から始まっています。

近年、ジンプロ社はテキサスA&M大学で、アベイラ4を分娩前5ヶ月間に亘って母牛に給与する試験を行いました。その結果、生まれた子牛がより離乳ストレスを上手く乗り切っただけでなく、何よりも後継候補牛の性成熟が早まりました^※3。

アベイラ4を給与した母牛から生まれた雌牛は、無機ミネラルを給与した母牛から生まれた牛と比べて、平均で19日早く初回発情を迎えました。これは、ほぼ発情サイクル1回分です。これら両区の後継候補牛では、体格差は見られませんでした。先述の2つの試験から考えると、1回多く発情サイクルが来るということは、最初の授精期の妊娠に成功する可能性が高まり、分娩期間の最初の21日の間に分娩する可能性も高いということです。

全ての後継候補牛の性成熟をチェックすることはできませんが、ジンプロ・ミネラルの給与によって性成熟を早めることが期待できます。

妊娠期のアベイラ4給与に期待される効果についての詳細は、弊社営業担当者にご連絡ください。

引用文献

¹Cushman, R.A., L.K. Kill, R.N. Funston, E.M. Mousel, and G.A. Perry. 2013. Heifer calving date positively influences calf weaning weights through six parturitions. J. Anim. Sci. 91:4486-4491. doi: 10.2527/jas.2013-6465.

²Roberts, A.J., J.N. Ketchum, and R. Funston. 2018. Developmental and reproductive characteristics of beef heifers classified by number of estrous cycles experienced by start of first breeding. Transl. Anim. Sci. 3:541–548. doi: 10.1093/tas/txy118.

³ Harvey, K.M., R.F. Cooke, E.A. Colombo, B. Rett, O.A. de Sousa, L.M. Harvey, J.R. Russell, K.G. Pohler, A.P. Brandão. 2021. Supplementing organic-complexed or inorganic Co, Cu, Mn, and Zn to beef cows during gestation: post-weaning responses of offspring reared as replacement heifers or feeder cattle. J. Anim. Sci. 99:(In press). doi: 10.1093/jas/skab082.