母豚の栄養状態を改善することが、子豚の生産性を高めることに繋がる
日頃より弊社の技術情報では、母豚に対してジンプロ・ミネラル由来の亜鉛、マンガン、銅を給与することで、健康と繁殖成績を向上させられるということを発信させて頂いています。この生産性の向上は主に、炎症を制御し、母豚の健康状態を高めることによってもたらされます。その結果、栄養素を炎症反応抑制のためではなく、健康で強健な子豚を産むために使うことが出来る様になります。
それでは、ジンプロ・ミネラルを給与した際の結果をどの様に判断すれば良いのでしょうか?母豚を観察するだけでは、炎症反応が軽減されたかどうかは判断出来ません。しかし、農場で定期的に算出している以下の生産性に関連した指標を用いることで、炎症反応が軽減しているかを判断することが出来ます。
- 生存産子数
- 出生時体重
- 離乳頭数
- 離乳体重
- 授乳期飼料摂取量
これらの指標を算出することは、豚の生産性と農場の収益性を高めるために必要です。
私たちは、10年間の12繁殖サイクルを含んだ9つの試験に対してメタ解析を実施しました。この解析は、一般農場や研究農場など世界中の養豚場から母豚1,400頭以上のデータを集めて行いました。その結果、アベイラサウを給与した母豚において、生産指標の一貫した向上が確認出来ました。
※メタ解析とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析することです。
全体的な生産性の向上
授乳期での飼料摂取量が1日平均で130g増加し、1つの試験では最大で340gも増加したことが分かりました。母豚がより多くの飼料を摂取することが出来れば、より多くの水を飲み、それがより多くの乳を生産することに繋がります。また特に、ジンプロ・ミネラルを給与した母豚が生成する初乳や常乳には泌乳量以外にもメリットがあることが分かっています。その結果、より健康な子豚が離乳することが出来る様になるでしょう。
この解析で最も注目して頂きたい結果は、生存産子数への影響です。アベイラサウを給与した母豚において、1腹当たり平均で生存産子数が「0.32頭/腹」増加し、更に、ある試験では最大で「0.68頭/腹」も増加したことが分かりました。この結果は、1年平均で、母豚1頭当たりの生存産子数が「0.75頭/腹」増加となります。
生存産子数の増加に加えて、この解析から以下の指標の向上が明らかになりました。
- 出生時体重:1頭当たり平均で26g増加し、最大で65g増加
- 離乳頭数:1腹当たり平均で0.08頭増加し、最大で0.3頭増加
- 離乳時体重:1頭当たり平均で80g増加し、最大で155g増加
健康な母豚が強健な子豚を産む
以上のことより、母豚がより健康であれば、それは子豚の生産性に反映されます。効果的に炎症を抑えることで、エネルギーや栄養素を、産子数や子豚の生産性をサポートするために確実に用いることが出来ます。そしてそれが、繁殖農場の収益性を高めることに繋がるのです。
母豚の生産性を高める方法に関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。
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