ジンプロ・ミネラル:抗生物質不使用生産における重要要素
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ジンプロ・ミネラル:抗生物質不使用生産における重要要素

クリストフ・ラップ博士

ジンプロコーポレーション

抗生物質不使用鶏の消費者需要は増加しています。オーガニックフードの総売上は、2016年に$470億に達し、前年比で8%以上も伸長しています。オーガニックミートやチキンの売り上げは2016年で$9.91億に達し、前年比で17%以上伸長しており、分野の中で最大の年間利益を生み出しました。オーガニック分野は、未だフード全体売上の5%程にすぎませんが、急速に成長しており、養鶏生産者にプレッシャーと機会の両方をもたらします。

鶏の自然防御機能を高めて、病原体や毒素による攻撃に対する強固な免疫反応を有する鶏を生産し、成長市場である抗生物質不使用市場に参入するために、生産者は亜鉛やマンガン、銅といったジンプロ・ミネラルに注目しています。

 

微量ミネラルは、鶏の腸管及び皮膚防御層を構築する

微量ミネラルは、疾病に対する動物の第一防御層を強固にします。腸管内は、単層の上皮細胞が病原体等に対する防御機能を担っており、タイトジャンクションと呼ばれる構造で隣接する細胞間隙を埋めて病原体や毒素の侵入を防いでいます。暑熱ストレスや細菌叢異常、亜鉛欠乏などによってタイトジャンクションが弱体化すると、リーキーガットと呼ばれる状態に陥り、病原体や毒素が細胞間隙から血流へ侵入し、炎症を引き起こしてしまいます(Finamore et al., 2009)。

皮膚も同様に、人や動物にとって疾病に対する主な防御層です。亜鉛は皮膚の健全性向上に貢献する重要な微量ミネラルです。その結果、擦過傷に強く、蜂窩織炎の発生からの回復を早めることに役立ちます。

試験から、亜鉛アミノ酸錯体由来の亜鉛を40ppm給与したブロイラー鶏において、蜂窩織炎の発生割合が52%から40%に低下したことが分かりました。また別の試験からは、フットパッドの健全性が向上し、フットパッドが正常な鶏の割合が30%から50%に上昇したことが分かりました(Downs et al., 2000; Saenmahayak et al., 2010).。

 

鶏の免疫細胞機能

病原体や毒素が細胞の防御層から血流へ侵入すると、白血球細胞といった免疫細胞が活動を開始します、この過程を免疫活性化または炎症と呼びます。

白血球細胞の一種であるマクロファージは、大腸菌といった細菌等の異物や細胞の破片を取り込み破壊します。それ故マクロファージは炎症において重要な役割を担っています。微量ミネラル錯体は、適切な免疫反応を獲得するために不可欠な様々な役割を担っています。

亜鉛は、免疫細胞が増殖し、適切に作用するためには不可欠です(Rink and Gabriel, 2000)。亜鉛錯体由来の亜鉛を40ppm給与した2週齢の七面鳥において、大腸菌が血液からより迅速に除去されることが分かっています(Kidd et al., 1994)。亜鉛とマンガン、銅はマクロファージが病原体を攻撃する際に、健康な細胞が損傷を受けることを防ぐことに役立ちます。

 

雛において微量ミネラルによる防御

孵卵中に胎児を疾病から守る主な防御層である卵殻の強化にも微量ミネラルは役立ちます。亜鉛と銅のアミノ酸錯体をブロイラー種鶏に給与することで、無機微量ミネラル給与時と比較して、卵殻が厚くなることが分かっています(Favero et al., 2013)。また、ハドソンらの試験(2004)から、亜鉛アミノ酸錯体を給与したブロイラー種鶏から産まれた卵は、硫酸亜鉛を給与した区と比較して、破卵数が少ないことが分かりました。更に、亜鉛及びマンガンのアミノ酸錯体を給与することで、抗生物質不使用の若齢鶏において、ワクチンの有効性が高まることも分かりました。

微量ミネラルは、受精率にも同様に好影響を与えます。亜鉛アミノ酸錯体を80ppm給与(Hudson et al., 2004)、または亜鉛とマンガン、銅のアミノ酸錯体をそれぞれ40、40、7ppm給与した(Favero et al., 2013)ブロイラー種鶏において、同量の微量ミネラルを硫酸塩として給与した場合と比較して、ヘンハウス当たりの雛数が2.1または2.8増加したことが分かりました。

バーデン氏らの試験(2002)から、亜鉛及びマンガンが適切に設計された飼料に、亜鉛及びマンガンのアミノ酸錯体をそれぞれ75、80ppm上乗せ添加給与したブロイラー種鶏から産まれた雛は、同量を無機源として給与した区と比較して生存率が1.7%上昇(100% vs 98.3%)したことが分かりました。更に、孵卵時に硫酸亜鉛メチオニンを卵内に注入することで、孵化時の雛の腸表面積が47%増加することが分かりました(Tako et al., 2005)。以上の結果から、亜鉛は胎児と早期の雛生育に重要であることが明らかになりました。生存率が上昇したバーデンらの試験結果(2002)は、腸表面積が大きくなった結果から部分的に説明することが出来るでしょう。

 

鶏における免疫強化

抗生物質不使用鶏生産において、生産性に悪影響を及ぼす病原体や毒素の侵入を防ぐ初期防御層を確保するためには、強固な免疫システム及び消化管と皮膚の強固な上皮細胞層が必要です。亜鉛やマンガン、銅といったジンプロ・ミネラルは、抗生物質不使用鶏生産で好成績を上げるためには必須要素です。

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