子豚には優れた免疫能力が必要
養豚生産者は、離乳後の高濃度酸化亜鉛や抗生物質の使用削減といった規制の問題に直面しています。これらの規制により、離乳子豚は免疫反応を引き起こす外部刺激に晒されやすくなります。しかし、栄養による解決策によって豚の免疫能力を高めることが出来ますので、本記事でご紹介します。
子豚の免疫における課題とは何でしょうか?離乳までの間、子豚の免疫能力は、初乳や乳を通して母豚より付与されます。これを受動免疫と呼びます。そして、離乳後初めて、子豚は自身で免疫能力を獲得します。しかし、離乳後は受動免疫も消失し、獲得免疫も十分ではないため、必然的に免疫能力が低い時期となります。そして、この時期を免疫のギャップと呼んでいます。従って、養豚生産者は適切な飼料と栄養、飼養管理を行い優れた健康状態を維持することで、このギャップを最小限に抑える必要があります。
高濃度の酸化亜鉛の代替として飼料中に添加する解決策はありませんので、飼料設計や他の飼料添加物についても検討をする必要があります。授乳期の母豚飼料を改善することが、離乳時体重が重く、より強健な子豚といった子豚の質を高めるための経済的に効率的な方法です。そして、以下が検討すべき重要な要素です。
- 一腹当たりの全ての子豚が十分量の初乳を飲めることが重要です。試験から、特定の飼料原料を母豚に給与することで、初乳の量が増加し、またアベイラサウの様なジンプロ・ミネラルを給与することで、初乳中のIgG濃度が上昇することが分かっています。その結果、子豚の免疫能力を高めることができ、優れたスタートを切ることが出来るでしょう。
- 離乳時体重の重い子豚はより多くの乳を生産する母豚が必要です。アベイラサウの様なジンプロ・ミネラルを給与することで、子豚1頭当たりの離乳体重が平均で200g重くなり、更に離乳時体重の軽い子豚数が減少したことが、5つの比較試験から分かりました。
- 離乳子豚の抗酸化能力は高めることが出来ます。これは、ビタミンEを用いて長年行われてきました。しかし、アベイラセレン*を給与することでも、子豚の抗酸化防御を同様に高めることが出来ます。有機セレンを給与すると、子豚筋肉中のセレン蓄積量が増加します。そして、離乳後に飼料摂取量が減り、セレン要求量が増えた時に、子豚はその蓄積されたセレンを利用します。
*日本での取り扱いはありません。
- 離乳によってリーキーガットが増えることが明らかになっています。特に、離乳初期は様々なストレスに晒されますので、腸の健全性に負の影響が生じます。その結果、多くの毒素やその他有害物が腸管腔から血流に侵入し、炎症反応を引き起こし、活性酸素が生成されてしまいます。その結果、飼料摂取量と栄養消化率が低下することで、子豚が弱り、更に子豚は、炎症や活性酸素の増加を抑えなければいけなくなります。試験から、アベイラ亜鉛はリーキーガットを抑制し、離乳後の高濃度の酸化亜鉛の代替として有望な解決策であることが分かっています。
- ワクチン接種は、豚の免疫能力を高め、疾病への抵抗力を高める最適な方法です。今後、ワクチン接種に掛かる費用が増加することを考えても、アベイラ亜鉛の様な吸収性の高い亜鉛源を給与することで、ワクチンの効力を高めるのに役立つことが分かっています。
子豚の免疫能力を高めて免疫ギャップを減らすことが、優れた成長成績と健康を維持するために必要な解決策の一つです。比較試験や野外試験から、ジンプロ・ミネラルを給与することが、子豚の免疫能力を高める確固たる方法であることが証明されています。
子豚の免疫能力の向上に関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。
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