雛質と雛数は種鶏の栄養状態に左右される
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雛質と雛数は種鶏の栄養状態に左右される

レオナルド・リナレス博士

ジンプロコーポレーション

疾病や世界的な感染症、高騰するコストなど共通かつ前例のない課題にさらされている中でもブロイラー種鶏の高い生産性を維持することが種鶏場の収益性にとって不可欠です。とりわけ、高品質の雛数を増やすことが重要な目的であることは変わりません。このことは、生産者の方々が通常の鶏群数を達成し、維持しようと取り組んでいる今こそが特に重要です。

しかし、私たちが目指す高い生産性は、生産に関する全てのことが適切に管理されて初めて得られるものです。鶏群の健康と管理、孵化場の管理、給餌と栄養プログラムが、育種会社の高い基準を満たさなければなりません。

 

ブロイラー生産及び雛質に影響を与える3つの大きな課題

栄養プログラムにおいて見落とされがちなのが微量ミネラルです。そしてこれらの品質と供給源が体内の微量ミネラル状態を改善し、ミネラル排泄量を減少させながら、どの様に動物の生産性を向上させるかに重要なポイントとなります。科学的に実証された効果的な微量ミネラル栄養素を、適切なプログラムと信頼できるパートナーと共に提供することで、以下のような重要な課題に直面しても克服することが可能となります。

1.産卵率と卵殻品質
2.雛生産と雛質
3.免疫とワクチン効率

 

科学的に実証された栄養素、プログラム、ツールからもたらされる違い

高品質な雛を生産するためには注意深く考慮しなければならない多くの項目があります。そして、農場経営を総合的に検討する際には、以下の重要な3項目を考慮する必要があります。

科学的かつ現場においても効果が実証されている栄養素に投資することで、前述の重要な課題や産卵率、卵殻品質、雛数と雛質を克服することが出来ます。

 

1.産卵率と卵殻品質

生産期を通して産卵率を最大限に高め、質の高い卵殻を維持することは、現在の主計において克服することが難しい課題です。

亜鉛、マンガン、銅は卵殻形成に貢献します。亜鉛は、卵殻膜形成に必要なケラチン酵素の構成成分です。また、卵殻の炭酸カルシウム合成に必要な炭酸脱水酵素の活性化に必須です。

マンガンは、卵殻膜形成に関わるコラーゲン代謝及び強固な卵殻気質形成に影響を与えます。

銅は、銅含有酵素であるリシルオキシダーゼを介する卵殻コラーゲン膜繊維合成に必要です。

試験から、ジンプロ・ミネラルをブロイラー種鶏及びレイヤー鶏に給与することで、破卵数が減少しました。その結果、ブロイラー種鶏においては孵化率の向上、レイヤー鶏においては商品化卵の増加に繋がりました。破卵数を抑える要因に関して調べてみたところ、試験からジンプロ・ミネラル給与で卵殻割合及び卵殻重量、卵殻厚、卵殻強度が向上し、その結果卵の活用率が上昇したことが分かりました。

また、卵殻品質向上を目指し栄養に投資をしたのであれば、その経過を測定してあげることが重要です。ジンプロが開発したBlueBoxは卵の透光性を用いて卵殻品質を評価することの出来る手段です。BlueBoxは、破卵数を減らし強固な卵殻を作るために必要なミネラル栄養における改善点を洗い出すのと同時に、孵化中の胚の発育に最適な条件をサポートすることで質の高い雛の生産に貢献します。

 

2.雛生産と雛質

均一性や健康、生存率、体長、十分な母体抗体の移行は生産者がブロイラーの雛に求める能力です。胚や雛が孵化時にどの程度成長しているかが、その後の生存率や成長率、飼料や水の摂取能力において重要です。そして、卵内のミネラル状態を改善させることで、胚の完全な発育及び胚死滅率の低下、雛の孵化後初期の高い活力を達成することに役立つでしょう。

孵化率と胚生存率は、雛質に影響を与える重要な要素です。複数の試験から、ジンプロ・ミネラルをブロイラー種鶏に給与することで、無機ミネラルや他の有機ミネラル源である対照区と比較して孵化率が1〜7%上昇したことが分かりました。この結果は、受精率の向上と孵卵期間中の胚死滅率の有意な低下からもたらされたものと考えられます。また、胚死滅率に関しては、ジンプロ・ミネラル給与で対照区と比較して、15〜20%低下しました。そして、特に早期と後期の胚死滅が低下しました。このことは、胚が利用可能な栄養素量が多く存在することで、孵卵期間中の生存率が高くなったと考えられます。

更に、ジンプロ・ミネラルによる好影響は孵化時の雛質だけではなく、その鶏が出荷されるまで続きます。

 

3.免疫とワクチン効率

ブロイラー種鶏は飼養期間において常に疾病ストレスにさらされています。そのため、複数のワクチンを接種して、免疫機能を向上させ、母体抗体を胎児に移行させます。ジンプロ・ミネラルを配合した飼料を摂取することで、種鶏の免疫反応及びワクチン抗体価を高めることができ、鶏群の均一性や生存率、生産性に好影響をもたらします。そしてその結果、母体抗体がしっかり移行し雛を守ることが出来ます。

また、上皮組織の健康や状態を最優先にする必要があります。皮膚や消化管などの上皮組織は異物や病原体に晒されている第一防御層です。呼吸器と生殖器の上皮組織は、生産と動物福祉に影響を及ぼす可能性のある感染症から身を守るためにも重要です。

ジンプロFirst Line of Defenseプログラムは特に上皮組織の健全性を向上させることを目的としております。その結果、鶏の免疫能力を高め、疾病と戦う鶏自身の能力を高めることに繋がります。

更に、ジンプロは体液性、細胞性、母体免疫といった免疫に関するそのほか重要項目においても向上出来ることを確認しています。そしてそれら全てが、雛の健康状態と品質に影響を与えます。

ブロイラーの飼料効率向上といった育種改良により、種鶏には効率的かつ生産性の高さが求められてきています。それにより、皮膚の品質やフットパッドの健全性、羽毛状態、突き合い、骨質、跛行や様々な問題に晒され、動物福祉が脅かされています。また、種卵不足のため、低品質または巣外卵を用いなくてはならない場合もあります。そうすることにより、胚や雛がエンテロコッカス属やストレプトコッカス属といった細菌に感染するリスクが増え、生後7日間の斃死率が増加してしまいます。ブロイラー種鶏にジンプロ・ミネラルを用いることで、種鶏とその子において上記の問題を改善し、高い動物福祉や自然な行動、理想的な生産性を得ることに役立つでしょう。

 

種鶏の健康のために次のステップを踏み、雛質を高め、雛数を増やす

ジンプロのチームは経験豊富で業界で積極的に活動しているため、皆様の成功に細心の注意を払っています。私たちは、生産性と健康、福祉、鶏群の成績を向上させるために、能動的に皆様と協働します。

より質の高い雛をより多く生産するためのご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせください。

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