亜鉛及び銅、マンガンの様な微量ミネラルは胚の骨格形成を促進する
現在の養鶏業界において、市場での雛不足が起こっている地域があります。そのため、生産者は世界的な需要を満たすために、強健な雛の数を増やすことが求められています。
養鶏業において収益を低下させる最も大きな要因が、孵化出来ない卵、または孵化時に強健でない雛です。その結果、処理場へ出荷する鶏数が減少、または屠体体重が小さい鶏を出荷することになります。
強健な初生雛を生産するためには様々な要因がありますが、強固な骨格形成程重要なものは殆どありません。
強健な初生雛における、雛の成長サポートの重要性
まず始めに、私たちは強固な骨が、雛が孵化する能力のために必要であると仮説を立てました。もし、雛が卵殻を破り外へ出るために多くの力を必要とする場合、胚由来の利用可能な栄養を用いてしまい、栄養欠乏状態で孵化することになる場合があります。これは、初期発育において不利となります。
次に、鶏の雛は早熟です、つまり雛は孵化直後から自分自身で歩き、餌を食べることが出来ます。他の鳥や動物とは異なり、餌を食べるために、親鶏に頼ることはありません。
従って、骨格を正常に形成させ、胚内で十分に石灰化させることが必要となります。それでは、種鶏に適切な栄養を給与することでどの様な過程が起こり、どの様に強健な初生雛に貢献出来るのかをご紹介します。
雛の成長中に有機微量ミネラルを給与することで、骨気質が形成される
雛における最初の骨は、孵卵期間の最初の7日間で形成されます。この期間に、亜鉛及び銅、マンガンを用いてコラーゲン由来の有機気質が形成されます。
この期間では、骨は柔らかくゼラチンの様な形質をしています。そして、次の14日間で、孵化及び餌付けのために必要な十分量の強固な骨格を形成するために、カルシウムを強化する必要があります。
骨が石灰化するためには、胚がカルシウムを卵殻から吸収する必要があります。そして、卵内には亜鉛依存性の酵素が含まれており、その酵素によりカルシウムを卵殻から放出します。
カルシウムは骨に到達後、卵黄からのリンと結合します。先に形成されたコラーゲン由来の気質をミネラル化することで、硬く強固にし、雛が孵化し成長を始めることが出来ます。
ジンプロ・ミネラルは、胚の成長時点から、生産性を向上させる
亜鉛及び銅、マンガン全てが卵内での骨の形成と石灰化に必要です。種鶏にジンプロ・ミネラルを給与することで複数の生産性の指標を向上させることが出来ます。
アベイラZMC由来の微量ミネラルを、種鶏飼料に無機微量ミネラルに上乗せ添加することで、無機源単体給与時と比較して、ヘンハウス雛数が4.6%増加しました。また、アベイラZMCを給与した種鶏で、孵化率が2%上昇し、初期胚死滅率が17%低下しました。
どの様にすればこのような改善が見られるのでしょうか?それは胚の石灰化から始まります!アベイラZMCを給与した種鶏から産まれた雛は、同ミネラルを無機源で給与した種鶏と比較して、孵化時の骨のミネラル化が1%進んでいることが分かりました。
胚の石灰化を促進し、孵化前に強固な骨格を形成させることで、より強健な初生雛を育てることができ、一生を通して高い生産性をもたらしてくれるでしょう。
種鶏の栄養プログラムにアベイラZMCを組み込むことに関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせください。
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