ジンプロ・ミネラルを用いて母豚の跛行と繁殖不良を未然に防ぐ
Share

ジンプロ・ミネラルを用いて母豚の跛行と繁殖不良を未然に防ぐ

マーク・ウィルソン博士

母豚が早期に淘汰される場合、跛行が引き金となっている事が多いです。そして、跛行が繁殖成績及び母豚の長命性に与える影響に関して調べる試験が実施されました。その結果、跛行母豚は産子数及び生存産子数が少ないことが分かりました。更に、跛行を発症すると母豚の生存率が低下し、在群日数も短くなることが分かりました。

また、業界内の調査からも、88%以上の母豚が全ての病変が跛行の兆候ではないものの、少なくとも1つの蹄病変を発症していることが分かりました。そして最も問題となる病変が、蹄壁から真皮に刺入する病変で、炎症反応の引き金となり(蹄壁裂または白帯病)、その結果として疼痛と運動障害を引き起こします。

 

炎症と母豚の跛行

炎症は最も分かりやすい跛行の原因でありながら、しばしば誤解されることもあるのですが動物福祉において深刻な影響をもたらすことがあります。炎症は体内の免疫反応において不可欠な役割を担います。例えば、それは体が怪我(跛行など)をした後に治癒したり、ウイルスや細菌などの異物から体を守ったり、損傷した組織を回復したりします。

しかし、炎症は諸刃の剣です。動物を守る働きをする有益な面もある一方で、生産性や成長、飼料効率、繁殖、泌乳を悪化させることもあります。跛行の場合、炎症または免疫システムが体の自然治癒力を助けるために活性化し、より多くのエネルギーを炎症と戦うのに利用するため、繁殖に分配される栄養量が減少し、悪影響が生じてしまいます。

例えば、跛行や炎症が起こっている場合、飼料摂取量が減少傾向にあります、それにより母豚は十分量のエネルギーやタンパク質を摂取することが出来なくなります。その結果、繁殖に用いることのできる量の栄養量が減少し、脳のシグナルやホルモン分泌、繁殖成績が低下します。従って、飼料摂取量と栄養のバランスを維持することが母豚の健康と生産性にとって非常に重要で、その為の鍵となるのがジンプロ・ミネラルを飼料中に添加することです。

 

微量ミネラルは繁殖成績の向上をサポートする

亜鉛マンガンのアミノ酸錯体を給与することで、ストール飼いの母豚の蹄病変の発生を抑えることが出来ることが分かっています。そこで、母豚に以下の様に亜鉛、マンガン、銅の供給源のみ変えた同一飼料を妊娠期及び授乳期に給与した試験が実施されました。

  • 対照区 – 硫酸塩由来の亜鉛、マンガン、銅を125、40、15ppm給与
  • ジンプロ区 – 対照区の一部をアミノ酸錯体由来の亜鉛、マンガン、銅50、20、10ppmで等量置換して給与

その結果、ジンプロ区で対照区と比較して後肢の蹄病変発生が減少し、更に外蹄病変及び総病変も減少しました。

Image

跛行の発生率はジンプロ区で対照区と比較して低下しました(34% vs 51%; ジンプロ区 vs 対照区)。

Image

繁殖成績は、1腹あたりの生存産子数がジンプロ区で11.07頭、対照区で10.44頭でした。更に、1腹当たりの出生時体重がジンプロ区で17kg、対照区で16.17kgと共に増加しました。

 

母豚の健康が淘汰率の低下に不可欠

蹄の健全性は母豚の健康において非常に重要です。もしも適切に治療されなければ、悪化した蹄の状態が跛行を引き起こし、更には合併症を引き起こす可能性もあります。この状態では繁殖成績や長命性だけでなく生産費用が著しく増大してしまうため、農場経営に大きな打撃を与えてしまいます。

跛行や炎症を引き起こす要因をしっかりと理解することで、それらの発生を抑え、跛行による悪影響を避けることが出来るでしょう。

ジンプロ・ミネラルや跛行予防に関してのご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

関連記事
微量ミネラルを用いて、母豚の繁殖上の問題に対処する
ジンプロ・ミネラルは母豚の斃死による直接的及び間接的費用の削減に貢献する