ジンプロ・ミネラルは若齢牛の繁殖成績の向上に寄与する
コニー・ラーソン博士
ジンプロコーポレーション
繁殖農場における成功と、収益増加の鍵の1つとして、母牛を早期に受胎させ、短い分娩間隔を維持することがあります。アメリカにおいては多くの農場で、繁殖牛は最低でも4産しないと、利益を出すことが出来ないとされています。初産や2産といった若齢牛において、ジンプロ・ミネラルを給与することが、より効率的に利益を上げる繁殖牛に成長していく上で有効であるということが分かっています。
アメリカ・テキサスA&M大学エクステンションのブルース・カーペンター博士とスプロット博士によると、季節繁殖において、分娩期間の最初の21日間に分娩した初産牛は、その後の産次においても分娩期間中の早い時期に分娩する傾向があり、農場において最も収益性の高い牛になることが多いとしています。一方で、分娩期間開始後20〜40日の間に分娩した初産牛については、その後の産次においても分娩が遅れる傾向が多く、農場に利益をもたらすことが難しいとされています。
妊娠期間を285日とした場合、12ヶ月というの分娩間隔を維持しようとすると、繁殖牛は分娩から80日の間に受胎しなければいけません。アメリカの季節繁殖においては、1年の間で分娩期間と授精期間が決められているため、できる限り分娩期間の初期に分娩しなければ、1年1産を維持することが困難になります。分娩期間の早い段階で分娩した繁殖牛は、その後の授精機会が増えて、繁殖性と収益性に優れた牛となり、分娩が遅れた牛は、その後の授精機会が少なくなり、繁殖性が劣ってしまいます。全ての繁殖農場において、初産牛を含めた繁殖牛をいかに分娩後80日の間で受胎させるかが、目標になります。
アメリカのほとんどの繁殖農場では、1年の内のある決まった日に、一斉に母子分離を行い離乳します。従って、分娩期間中において、子牛がどれだけ早い段階で出生するかが、子牛の離乳時体重を決める重要なポイントになります。分娩期間において、子牛が1日早く生まれるごとに、離乳時体重が平均で0.9kg増加すると試算されており、これは即ち出生日が30日異なれば、離乳時体重が27kgも異なることを意味しています。
若齢の繁殖牛にジンプロ・ミネラルを給与することで、妊娠率が向上し、分娩間隔が短縮することが示されていますので、繁殖牛の一生に亘る収益性向上のために有効な投資となります。
ジンプロミネラル給与による分娩間隔の短縮
フロリダ大学の放牧牛研究/教育センターで行われた、ブラフォード種の放牧牛を対象とした試験から、アベイラ4を給与した3歳または4歳の繁殖牛は、無機微量ミネラルを給与した繁殖牛と比較して、妊娠率が高く、分娩間隔が短かったという結果が得られました。3年間に亘る試験期間において、アベイラ4を給与した繁殖牛は無機微量ミネラルを給与した繁殖牛と比較して、18%以上も妊娠牛獲得割合が高く、平均で16日も分娩間隔が短縮しました。
繁殖農場において、繁殖牛が1年1産することが最も重要です。繁殖牛の一生に亘る生産性と効率性を考えた時に、分娩後、いかに早く次の妊娠が出来るかがポイントになります。
初産と2産の繁殖牛は、それ以上の産次の成牛に比べて生産ストレスが大きいと言われていることから、早い段階からジンプロ・ミネラルを給与することが大切です。若齢牛はまだ体も成長している中で、このようなストレスを受けている期間に適切な微量ミネラル給与プログラムを行うことで、より顕著な反応を示します。
繁殖におけるジンプロ・ミネラルの役割
エネルギー摂取量を維持しながら、繁殖牛に次の妊娠の準備をさせることは、どの農場でも難しい問題です。牛の体は、摂取した栄養素をまず生命維持のために活用します。そして体重維持が出来た上で、栄養素は繁殖に使われます。
アベイラ4に含まれている4つの微量ミネラル(亜鉛、マンガン、銅、コバルト)の全てが、繁殖牛の繁殖成績向上のために、それぞれ役割を担っています。
- 亜鉛は、分娩前後に発生する炎症過程によって損傷した生殖器の回復を助け、次の授精の準備を促します。分娩前は、胎児のケアを行う器官であった生殖器は、分娩後は次の妊娠の準備をする器官にならなければいけません。
- マンガンは炎症を緩和します。さらに、繁殖ホルモンの生成のために重要な役割を担っていたり、卵の生成の鍵を握っています。
- 銅は、早期胚の生存能力を高める上で重要で、分娩間隔の短縮に寄与します。一度は受精が成されても、受精卵を維持出来なければ、繁殖成績が低下します。
- 繁殖牛のエネルギーに関しての働きを、コバルトが行います。コバルトはルーメン内で、粗飼料の繊維消化性を高めるために活用されます。また、ルーメン内でのビタミンB12の合成にも関与しており、吸収されたビタミンB12は肝臓でグルコースの生成とエネルギー代謝のために使われます。粗飼料からのエネルギー活用が高まることは、適正なボディコンディションの維持に寄与します。
適切に処方された飼料にジンプロ・ミネラルを添加することは、利益を上げるための繁殖成績向上に向けた効果的な栄養素を、繁殖牛が摂取することを意味します。
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