生産性を低下させることなく、養鶏場の持続可能性を高める
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生産性を低下させることなく、養鶏場の持続可能性を高める

デゥアルテ・ネヴィス博士

ジンプロコーポレーション

環境的持続可能な養鶏は、飼料中の過剰な栄養素の添加を削減することから始まります。それにより、鶏群の生産性と健康状態を維持しつつ、栄養素が糞便を介して排出され無駄になるのを防ぐことが出来ます。養鶏飼料に微量ミネラルを多く添加することは、持続可能性の高い飼養を行うための障害となっています。

そのため、無機ミネラルをジンプロ・ミネラルで完全または部分的に置換することによって、飼料中の総ミネラル添加量を削減した場合の影響について詳しく調べた複数の試験が実施されました。

 

ジンプロ・ミネラルは飼料要求量と胸肉歩留まりを向上させる

複数のブロイラー鶏における試験において、無機亜鉛80ppmをアベイラ亜鉛由来の亜鉛40ppmで完全に置換し総ミネラル添加量を50%削減することで、亜鉛の排出量が34%減少、飼料要求率(FCR)が0.5ポイント改善、胸肉歩留まり(BMY)が0.8%向上、更に屠体の血腫スコアが18%低下しました。

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無機ミネラルの添加量が少ない別の試験において、無機源由来の亜鉛、マンガン、銅、鉄、セレンからなるミネラルプレミックスを、アベイラ亜鉛アベイラマンガンアベイラ銅アベイラ鉄、アベイラセレン*に置き換えて、総ミネラル添加量を50%に削減することで、FCRが2.7ポイント向上しました。

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これらの試験から、飼料中全ての無機微量ミネラルをジンプロ・ミネラルに置き換えても、ブロイラー鶏の生産性を維持、向上でき、環境中のミネラル汚染を抑えることが出来ることが示唆されました。

100ppmをジンプロ・ミネラルで置換する

養鶏飼料中の無機ミネラルの増加分をジンプロ・ミネラルで代用する際、最も広く用いられている方法は等量置換法です。これを実証するために、ブロイラー鶏飼料に無機亜鉛100ppmを添加した区と、アベイラ亜鉛40ppmを添加して総亜鉛添加量を削減した区で比較試験を行いました。その結果、アベイラ亜鉛40ppmを添加した区でFCRが2.3ポイント向上、BMYが0.5%向上しました。

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飼料中に無機源由来の亜鉛、マンガン、銅、鉄、セレンを添加した対照区と、対照区飼料にアベイラ亜鉛、アベイラマンガン、アベイラ銅、アベイラ鉄、アベイラセレン*を等量置換して添加したアベイラ区を用いて別の試験を行いました。その結果、ジンプロ・ミネラルを給与した区では、フットパッドスコアが(FPS)が12%低下しました。また、生産性や屠体指標、敷料状態、屠体の傷やあざなどのその他全ての指標は同等の結果でした。

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この結果から、等量置換法であってもジンプロ・ミネラルの添加量を増やすことで、無機ミネラルの添加量を削減しつつ利益を得ることが出来ることが示唆されました。

120ppmをジンプロ・ミネラルで置換する

この手法をさらに進めるために、総ミネラル添加量をより高くした試験が多く行われました。1つの試験では、120ppmの無機亜鉛を、無機亜鉛40ppmとアベイラ亜鉛由来の亜鉛40ppmの総添加量80ppmに置換して行われました。その結果。FCRが3.3ポイント改善し、糞便中の亜鉛排出量が26%減少しました。

ジンプロ・ミネラルを用いて、ブロイラー鶏飼料中の無機ミネラル量を減らすことで、鶏の生産性を維持または向上しながらも、環境中へのミネラル排出量を抑える事が出来たという結果を全ての試験から一貫して得ることが出来ました。

 

ジンプロ・ミネラルは細菌感染を抑制する

総ミネラル添加量を減らすといった、養鶏における持続可能性への取り組みは、あらゆる場面で実施されなければなりません。腸内感染に罹った際に、無機微量ミネラルを低濃度の有機ミネラルに置換することで、鶏の健康を維持または向上させることに役立つことが次の試験から分かりました。

基礎飼料中に無機源由来の亜鉛と銅、マンガンを添加した区と、アベイラ亜鉛、アベイラマンガン、アベイラ銅で無機源を等量置換した区の2つをStaphylococcus agnetis(S. agnetis)に感染させたブロイラー鶏に給与する2つの連続した試験を行いました。2つの試験ともに、処理区間では生産性に差はありませんでした。しかし、ジンプロ・ミネラルを給与した鶏で、細菌性軟骨壊死骨髄炎(BCO跛行)の発症が49日齢、56日齢でそれぞれ30%と27%減少しました。

更に、ジンプロ・ミネラルを給与した鶏では、無機ミネラルを給与した鶏と比較して、大腿骨頭壊死の発症が最大5%、脛骨頭壊死の発症が6%減少しました。また、ジンプロ・ミネラルを給与した鶏では、空腸と回腸の絨毛高が18%長く、空腸のオクルーディンタンパク質発現が高く(P <0.05)、マクロファージ活性に対するS. agnetisの生存率が39%低下した事が分りました。

 

少ない資源で、より多くの利益を

前述の試験から、無機ミネラルをジンプロ・ミネラルに置換することで、一貫した結果を得ることが出来ました。それにより、成長成績や健康状態を維持、向上させつつも、微量ミネラル総添加量を削減することが出来ました。この方法は、ジンプロが環境に優しいだけでなく、畜産業の収益性をより高め、健康で安全な食料供給を維持することで、より健康でより持続可能性の高い社会に貢献するという証です。

詳しくは弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

*日本で取扱のない製品です。